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奥州覇王 独眼竜 伊達政宗
作: 北村 蓮明
伊達政宗は1567年、奥州の名門伊達家16代輝宗の嫡男として出羽・米沢城に生まれた。幼名は梵天丸。5歳の時に疱瘡を患い右目を失明し隻眼に。
幼い政宗の心に深い傷を与えたといわれるが、禅僧・虎哉宗乙から教えを受け、次期当主として心身ともに成長していった。11歳で元服し、13歳で三春城主田村清顕の娘・愛姫と結婚。初陣を経て18歳で家督を相続した。翌年、二本松城主畠山義継に拉致された輝宗が非業の死を遂げたことにより、若き当主の人生は、大きく動き出す。積極的に領土拡大に乗り出し、わずか5年の間に南奥羽の覇者としてその名を轟かせた。
1590年に豊臣秀吉に服従し、翌年、国替えにより岩出山城の領主となる。1600年、関ヶ原の戦いでは東軍に加わり、徳川家康から60万石を与えられ、翌年、仙台城に移る。城下町仙台は、奥羽地方最大の都市になっていく。藩の財政基盤を固めるため、北上川の流れを変えて新田開発をし、河口の石巻を港町として整備して米や大豆など農産物を江戸へ運ぶ拠点とした。また技術者を招聘して、美しい神社仏閣を再興・造営した。
徳川三代に仕え、最後の戦国武将として一目置かれ、武人でありながら和歌や書、茶の湯などに才能を発揮した政宗。文化人としても名を上げ、70年の生涯を生きた。