日本通運ねぶた実行委員会

怪猫佐賀の夜桜

作: 林 広海




江戸時代の佐賀藩成立期に起きた龍造寺(りゅうぞうじ)家と鍋島家の間の御家騒動である。肥前(びぜん)(のくに)佐賀藩の二代藩主・鍋島光(なべしまみつ)(しげ)の碁の相手を務めていた家臣の龍造寺(りゅうぞうじ)(また)七郎(しちろう)が、「待った」「待たない」で口論となり、光茂の機嫌を損ねて切り捨てられてしまう。

又七郎の母も飼っていた猫に息子の悲しみの胸中を語って自害する。

この時に母の死体から流れた血をなめた飼い猫が化け猫となり、光茂の側室・お豊の方を食い殺して乗り移り、光茂に近づく。以降、藩内で様々な怪事件が頻発し、光茂も毎晩のように苦しめられる。

そこで、忠臣・小森半(こもりはん)()衛門(えもん)は光茂を惑わす化け猫の正体を暴き、見事退治して鍋島家を救うという物語である。

のちに講談「佐賀の夜桜」、歌舞伎、映画などに脚色され、世間に広く流布された伝説である。

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