消防第二分団ねぶた会・アサヒビール

矢の根八幡

作: 内山 龍星




北の果て下北半島の尻屋は東北の鬼門にあたり、鬼神(きしん)が住んでいて牛や馬をとらえ殺してたべるなど住民を困らせていた。

そこで人々は都まで出かけ名将 源頼義(みなもとのよりよし)に鬼退治をお願いした。

頼義は馬を駆け佐井村までやって来た。

浜で身を清め、小枝で御幤(ごへい)を作り一心に八幡の神に祈願した。

ある日、一面にわかにかき曇り海は荒れ強風が吹き流れる中、見るからに恐ろしい悪鬼が現れた。

たちまち兵士達は踏み殺されてしまった。

その時一羽の(しら)(こばと)が飛び立ち白衣の明神(みょうじん)が現れ弓に矢をつがい引き放つと悪鬼の額の中心を討抜いた。

頼義はすかさず首を切り落とした。

やがて頼義は神に感謝し、そこに石清水の八幡宮をまつり鈴ヶ森の八幡宮を宮本と定めた。

あたりに矢の根石がたくさんあるところから「矢の根八幡」と呼ばれ地元の守護神としてまつられている。

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