東北電力ねぶた愛好会

浪漫海峡 義経飛龍

作: 立田 龍宝




平安時代末期、源義経(みなもとのよしつね)は、兄(より)(とも)に追われ京から吉野、北陸加賀を経て、奥州平泉の藤原(ふじわらの)秀衡(ひでひら)の基へ落ちのびた。頼朝の奥州への攻めにより平泉で義経は最期を遂げたという正史がある。しかし、新天地である蝦夷を目指して逃げのびたという。

平泉、八戸、青森の寺院に立ち寄り滞在し、苦難の末 竜飛崎に辿り着くが、強風荒れ狂う海に行く手を遮られ渡ることが出来ない。その時、白髪の翁が現れ、三頭の龍馬を与えられ、無事に海峡を渡ることが出来たという。白髪の翁は、義経の守護仏である「観世音菩薩」の化身であった。その後、蝦夷から大陸に渡り、成吉思(ちんぎす)(はん)となりモンゴル帝国を築いたとも伝えられている。

外ヶ浜町三厩には龍馬山・義経寺があり、義経渡海伝説の浪漫が県内で数少ない神仏混交で今もなお多くの参拝者が訪れ、本州と北海道を繋いだ義経の海路海峡として風と共に今も飛龍している。

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