青森県板金工業組合
黄泉比良坂伝説
作: 北村 春一
神話では、黄泉の国と現世は繋がっており境目として登場する黄泉比良坂。イザナギノミコトは、先立った最愛の妻イザナミノミコトを迎えに黄泉比良坂を通って黄泉の国を訪ねて行った。
イザナミは夫を待ち焦がれていたが、黄泉の国の食べ物を口にしてしまったので、すでに黄泉の国の住人となっていた。一緒に帰ろうという夫に「黄泉神に相談するので、その間私の姿を見ないでください」と言い消えてしまった。
長い間待てども返事はなく、イザナギはしびれを切らして辺りを見回すと、そこには変わり果てたイザナミの姿があり、驚いたイザナギは、恐ろしくなり逃げだした。
約束を破られ醜い姿を見られたうえに現世に戻る術もなくなったイザナミは、怒りに震え黄泉の軍勢と共に追いかけた。
イザナギが軍勢を振り切り黄泉比良坂まで来た時、黄泉の国への入り口を千引の岩で塞いだため、イザナミとの永遠の別れとなった。
死者は甦ることはないのである。
悲しみを乗り越えなくてはならないということから「黄泉比良坂」は過去を乗り越え勇気を与える場ともいわれている。
ねぶたは、イザナミが黄泉の軍政と共にイザナギを追いかける迫力のある場面を表現した。