青森市PTA連合会
天狗と牛若丸
作: 内山 龍星
平治の乱で父の源義朝が謀反人となり敗死し、鞍馬寺に預けられた牛若丸はある日、東谷の僧と共に、西谷の花見の招きを受けて連れられ出かけた。
しかし、その席に見知らぬ怪しげな山伏が割り込んできたので、気を悪くし牛若丸を置いて帰ってしまった。
ただ一人残された牛若丸の素性を知った山伏は花の名所へと案内した。
暫くの間、二人は親しく語り合い、やがて山伏は自分が鞍馬山の僧正坊という大天狗であると正体を明かした。
牛若丸の願いである平家討伐が達せられるよう大天狗は武術や剣術、兵法を牛若丸に伝授した。
牛若丸が十一歳の時のことだった。
源氏の再興を予言し、戦場での守護を約束して大天狗は姿を消した。