日立連合ねぶた委員会
新田義貞伝説 龍神へ太刀を捧ぐ
作: 北村 蓮明
新田義貞は上野国新田荘(現 群馬県太田市付近)新田氏の家に生まれた。父 朝氏が死去し、義貞は若くして家督を継ぐことになった。
新田氏は鎌倉幕府の御家人の中でも有力者で古くは広大な領地を所有していたが、北条氏との折り合いが悪く、義貞が家督を継いだ頃は領地も減り、そのうえ無位無官で苦しい生活を強いられていた。その影響もあり若い頃から義貞は日々武芸や学問に励み、天皇へ忠誠を尽くすことを教えられながら成長した。
鎌倉末期、打倒鎌倉幕府を掲げる後醍醐天皇と、鎌倉幕府・北条氏が対立した。当初は幕府圧勝かと思われたが、次第に領地各地で幕府に不満を抱く者が増え、後醍醐天皇に賛同する声が高まった。武功を挙げても十分な恩賞がもらえず苦しい生活の中、重い税が課され続ける現状に耐えかね遂に義貞も挙兵した。義貞軍は勢いを増し武蔵国に入り鎌倉街道を南下し続けた。しかし鎌倉は山と海に囲まれた天然の要塞。進軍するが、苦戦を強いられていた。稲村ケ崎から進軍も海は荒れ狂い、困った義貞は黄金の太刀を海に捧げ祈ったのである。すると、海深くから龍神が現れ、たちまち波は引き、義貞は一気に鎌倉に攻め込み、わずか半月で鎌倉幕府陥落を成し遂げた。
ねぶたは、太刀を捧げ祈った新田義貞の前に龍神が現れた場面である。