ヤマト運輸ねぶた実行委員会
菅原伝授手習鑑 車引
作: 北村 隆
平安時代 醍醐天皇の頃、左大臣と右大臣はとても仲が悪かった。
ある時三つ子の男の子が生まれた。当時三つ子は珍しく縁起が良いと菅丞相(菅原道真)は松王丸、梅王丸、桜丸と名付ける。
やがて成長し、松王丸は藤原時平へ、梅王丸、桜丸は斎世親王の元へ奉公する。
左大臣の藤原時平は右大臣の位にあった菅丞相を陥れようと画策。
のちに菅原道真は謀反の罪をきせられ太宰府へ流刑となる。
これが事件の発端である。
時は流れ、吉田神社の近く。梅王丸と桜丸は偶然、左大臣藤原時平が吉田神社へ参詣するとの噂を聞く。これを聞いた二人は今こそ時平に返報できる機会と思い時平の牛車を襲う。
だが、時平の牛飼いである松王丸に阻まれる。
互いに牛車をやるやらぬと引き合う内に牛車は大破し中から時平が姿を見せた。
梅王丸と桜丸は襲いかかろうとするが「やあ、時平に向かい推参なり」とくわっと睨んだその眼力に二人は動けなくなる。
その様子を見ていた松王丸は成敗しようとするが、時平は境内を汚すことを許さず、また松王丸の忠義に愛でて二人の無礼をなかったことにする。
場面は梅王丸、桜丸が時平と松王丸に対峙する姿である。