に組・東芝
羅城門
作: 北村 隆
羅城門とは、京の都の南端(現在の東寺の近く)にあった門である。
都において南に面する大内裏の外郭十二門のうち最も重要な門で朱雀門と言われていた。
ある時、源頼光が四天王の渡辺綱と坂田金時、碓井貞光、卜部季武と飲んでいた時、羅城門に出没する鬼の話になった。
飲んでいる故に皆大胆になり、一人ずつ羅城門へ行って肝試しをすることとなった。
一人ずつ行ってきて、渡辺綱の番になった時。
羅城門に行って証拠の立て札を立て、帰ろうとした時のこと。
綱は不意に兜を何者かに掴まれた。
身の危険を感じ、刀を抜き斬りかかる。
相手が逃げていくと、そこには兜を掴んだままの鬼の腕が残されていたという。
渡辺綱の武勇伝として伝えられている。