JRねぶた実行プロジェクト
浄焔 日本武尊
作: 竹浪 比呂央
大和朝廷が勢力を拡大していた五、六世紀。反乱を起こした蝦夷平定の勅命を受け、勇壮な戦いを繰り広げたのが日本武尊である。
景行天皇の皇子として生まれた日本武尊は幼い頃より武勇に優れ、十六歳で初陣し、西国の熊襲を平定、次いで出雲へ赴き出雲建を討ち、大和へ帰還するも、程なくして今度は東国平定の命を受ける。
出立した日本武尊はまず伊勢神宮を拝し、ここで神宮に仕える叔母の倭姫命より、天叢雲剣と火打石を授かる。そして東へと進むが、相模に入ったところで土賊の長に欺かれ、野原で火攻めにされてしまう。烈しい風が起こり、煙が立ちこめる。窮地に陥った日本武尊であったが、伊勢で授かった天叢雲剣を抜き草木を薙ぎ払うと、火は静まり難を脱することができたのであった。
渦巻く火焔、災いを払う浄焔を背に、勇ましく剣を振る日本武尊。その雄姿に、新時代「令和」のこの国の繁栄と安寧を祈り願うものである。