東北電力ねぶた愛好会
十和田湖伝説「南祖坊と八之太郎」
作: 京野 和鴻
その昔、三戸郡斗賀村(現南部町)で生をうけた南祖坊(なんそぼう)は、才知に優れた天童で、齢十八で故郷を離れ、なだたる霊山で修行を重ねた名僧である。
修行で熊野の地を訪れた折「この世で最も美しい山と湖をそなたに授けよう。鉄のわらじの緒が切れたところがその地じゃ」との熊野権現のご神託をうけた。
熊野を離れ修行を重ねる南祖坊が十和田山の頂きに辿り着いた時、ついにわらじの緒が切れた。すると、湖の主「八之太郎」が現れ、九頭竜に化身し南祖坊に戦いを挑んできた。
雷鳴が轟き天地揺るがす戦いが七日七夜繰り広げられるも勝敗は決せず、南祖坊はとうとう仏様の力を借りて法華経を頭上に掲げると、経文一字一字が矢となって八之太郎に突き刺さり、ついに八之太郎を倒した。
令和の御代最初の出陣は、青森県ゆかりの「南祖坊」と「十和田湖」に題材を求め、時代が変わっても地域とともに歩み「東北の繁栄と発展に貢献する」という、創立以来の理念を確実に継承していく覚悟と決意を込めております。