ヤマト運輸ねぶた実行委員会
白浪五人男
作: 北村 隆
盗賊を主人公にした世話物のことを、特に「白浪物」と呼んでいる。
主人公は盗賊だが大悪党というよりは義理・人情の絡められた人物である。
弁天小僧菊之助と南郷力丸は、共に大盗賊日本駄右衛門の子分。
弁天小僧は美しい武家娘に、南郷はその供侍に姿を変えて鎌倉の浜松屋を訪れわざと万引きをしたように見せかける。その二人の正体を見破ったのはすでに浜松屋に入っていた侍姿の駄右衛門。一連の万引き騒動は、駄右衛門を浜松屋に信用させるよう一味が仕組んだ芝居だったのだ。
この三人に、忠信利平と赤星十三郎を加えた五人の盗賊たち(白浪五人男)は、後日浜松屋に押し入るが、捕手に追われて稲瀬川に勢揃いし名乗りをあげる。
歌舞伎では「志ら浪」と書いた番傘に手ぬぐいを肩に名乗りを上げ、素性を明らかにする名場面である。