ヤマト運輸ねぶた実行委員会
赤沼伝説
作: 北村 隆
藤崎町矢沢八幡宮の裏にあった「赤沼」とそこから6km離れた常盤村福舘の田んぼの真ん中にある「赤沼」とは底がずっと繋がっていたと言われている。
むかし、坂上田村麻呂軍は藤崎町矢沢の森のあたりで突然蝦夷の棟梁・高丸に襲われた。田村麻呂は強弓をはなち、射殺したが今度は高丸の亡霊が襲い掛かった。
田村麻呂は太刀をぬき斬りつけると、亡霊はそばの沼へ落ちていった。沼はみるみる赤い血で染まったという。それからこの沼を『赤沼』と呼ぶようになったという。
田村麻呂は亡骸を近くの森に葬り、その上にお堂を建て矢を御神体として祀ったことから「矢沢」と呼ぶようになったという。この赤沼にはいつの頃からか大きな蟹が沼の主として棲むようになったという。この大きな蟹は高丸の化身と噂されている。そして二つの沼を行ったり来たりしていたという。
坂上田村麻呂と赤沼の蟹の伝説である。
今も常盤村福舘の田んぼの真ん中には「赤沼」とそばには小さな祠が存在している。