青森山田学園

金神長五郎 仁王と相撲をとる

作: 北村 隆




長五郎(ちょうごろう)は武蔵国の生まれで、ある時、小鳥を取りに山中に入ると廃墟となった寺があったので覗いてみたところ、何とその中には仁王や金剛神といった、神仏の姿をした妖怪たちが蠢いていた。

 

そこで長五郎は、やにわに着物を脱ぎ捨てて妖怪の中に飛び込み金剛神の妖怪へと組み付き、これを投げ飛ばしたところ、それに恐れをなしたのか、残る妖怪ともども姿を消してしまった。

 

これ以降、長五郎は「(こん)(じん)」という渾名をつけられたという。

アーカイブ