に組・東芝
「鵯越」怪力無双畠山重忠
作: 村元 芳遠
時代は、源氏と平家の存亡をかけた戦いが続く西暦一一八四年。
源義経軍は、目もくらむばかりの断崖を一気に降り下り、眼下の平家軍に奇襲をかけ源氏の勝利をもたらした。
誰もが不可能と思えた断崖絶壁を前に、「鹿の歩く道なれば馬もできるっ。」と義経の掛け声とともに、主従七十騎は奮い立つ。
畠山重忠は、愛馬「三日月」を痛めてはならないと、手綱と腹帯びで背負い、その果敢な決断力と愛馬をいたわる優しさ、背負う剛力を持った強い肉体で、文字通り人馬一体となって絶壁を降りて行った。
有名な「一ノ谷の合戦、ひよどり越え」の一場面である。